プライベートレッスン 〜 同居人の甘い素顔

「大丈夫でございますか?」

「うん、美味しいよ」


中身は明太子だった。
私の好きな具材を入れてくるところあたり、さすが雪さんだ。


「おにぎりではなく、日菜子様ご自身でございますよ」


おにぎりを飲み込み、彼女を見上げる。


「お顔の色が優れません」

「……大丈夫だよ。突然写真を見せられたから、ちょっと驚いただけ」

「祐希様もご心配されていました」

「祐希が?」


雪さんは頷いた。


「実は、おにぎりをお持ちするようにおっしゃったのも祐希様なんです。明太子があればそれを具にしてと」


雪さんは暴露してしまったことに対してお茶目に笑う。

祐希が指示したとは思いもしなかった。

さっきの食事の席でのことを思い返す。
私に結婚の話が出たときはまったく気にする様子もなく、黙々と箸を進めていたくせに。

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