プライベートレッスン 〜 同居人の甘い素顔
ここの責任者、涼香さんだって簡単に頷かないだろう。
「私にお任せくださいませ」
雪さんは私を店の片隅に置かれたオブジェの椅子に座らせ、真っ直ぐに涼香さんのところへと向かった。
彼女がここの店長だと説明したわけでもないのに。
それもまた、雪さんの千里眼か。
本当に底抜けに能力をもった女性だ。
とても普通の六十五歳の家政婦には見えない。
彼女は、いったいどこまで私にギャップを見せつける気だ。
雪さんは涼香さんを連れて私のところへ戻って来た。
「具合、大丈夫ですか?」
慌てて立ち上がろうとする私を彼女は手で制した。
「はい。申し訳ありません」
「こちら、牧瀬さんのお知り合いの方だそうですね」
「そうなんです」
雪さんを見て、涼香さんを見て、それから頷いた。