プライベートレッスン 〜 同居人の甘い素顔
「真実を言ったまででーす」
軽く舌を出した涼香さんを祐希は小突いた。
こういうやり取りを見るたびに、ふたりの仲の良さは手に取るようにわかる。
嫉妬まじりの羨望。
本当に羨ましかった。
お似合いだからなおさらだ。
「そうだ、牧瀬さんも今夜は少し残れる?」
「いや、体調が良くないみたいだから帰らせるつもりだ」
涼香さんは私に聞いたのに、祐希が代わりに返事をする。
なんだかおもしろくない。
それに、寝不足による単なる立ちくらみだったのだから。
「私は祐希じゃなくて、牧瀬さんに聞いてるの。自分の身体は自分が一番よく分かってるでしょ。ちょっとした“お疲れさま会”なの。今日のオープニングを迎えられたお祝いをお店で軽くね」
涼香さんは祐希に抗議してから、もう一度私に誘いをかけてくれた。
「平気です」
「牧瀬さん!」
祐希のたしなめるような声色を無視した。