プライベートレッスン 〜 同居人の甘い素顔
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閉店の午後八時が近くなると、お客様の足もパッタリと途絶えた。
用意していた小袋のプチコーヒーは午後の比較的早い段階になくなり、無料で振る舞っていたコーヒーも残すところあとわずかだった。
雪さんは私が回復したあとも残っていたが、お父さんと清美おばさんの夕食の支度があるからと夕方を少し過ぎたころに帰って行った。
そして、いよいよ閉店の八時を回った。
「皆様、お疲れさまでしたー!」
男性スタッフのひとりが声を上げると、店内では拍手がわき上がる。
店長の涼香さんが「ありがとうございます」と腰を九十度に折り曲げた。
「ささやかではありますが、お飲み物と軽食をご用意しました。お酒もありますので、まだまだ元気だという方はどうぞー。ただ、また明日もお店はオープンしますので、ほどほどにお願いしまーす」
オープンハイというのか。
涼香さんのテンションが高い。
満面の笑みを浮かべて用意されたテーブルを涼香さんが指し示す。
すると、そこにはすぐに人だかりができた。
「ほら、牧瀬さんも遠慮しないで」
涼香さんに促されて、その輪に加わる。