プライベートレッスン 〜 同居人の甘い素顔
ソフトドリンクを取るつもりが、男性スタッフから空の紙コップにビールが注がれてしまった。
……ま、いっか、今夜は。
祐希の痛い視線を感じたように思ったが、気にしないことに決めた。
乾杯の音頭に近くにいた人たちとコップを合わせる。
喉が渇いていたこともあって、小さなコップのビールはすぐに飲み干してしまった。
よく冷えたビールが喉に爽快だ。
胃まで冷たさが染み渡る。
そういえば、お昼もろくに食べていなかったことを思い出した。
オープンに携わったとはいっても、頻繁にここに通ったわけでもない。
祐希と涼香さん以外の人とはほとんど話したことがなかったので、当然ながら話の輪には入れない。
飲むか食べるかしかなくて、目立たないように隅のほうからみんなを遠巻きに眺める。
そして、どうしても目がいってしまうのは、祐希だった。
彼の行く先には、必ずといっていいほど涼香さんがいる。
祐希が追いかけているのか、涼香さんのほうなのか。
とにかく、ふたりは常にそばにいて話の中心になっているように見えた。
無意識にお酒が進む。
ビールの次はピーチ味の発泡酒だ。
普段は途中で受け付けなくなるのに、今日はやけにお酒が飲めるぞ。
身体が水分を欲しがってでもいるのか。
おつまみもほどほどに流し込む。
そうしているうちに当然のごとく酔いが回ってくる。