プライベートレッスン 〜 同居人の甘い素顔
彼への反発で抵抗しようとしていた気持ちは、あとかたもなく消え去った。
祐希への想いが膨らんで、自分ひとりでは抱えきれないほどだ。
昂ぶるのは気持ちだけじゃない。
身体の芯がじんと痺れて熱かった。
唇を離し、祐希の手が私の両頬を包み込む。
向けられる眼差しは、今まで見たこともないくらいに切なかった。
鼻と鼻をこすり合わせ、祐希が目を細める。
「日菜子……」
低くかすれた声にゾクゾクする。
胸の高鳴りが邪魔をして、返事もできない。
祐希に呼び捨てされただけなのに。
“さん”が付くのと付かないのとでは、天と地ほどのギャップがある。
それだけで満たされた気分になった。
たぶんそれは、そうしたときの祐希の声も表情も違うから。
ちょっとした変化なんかじゃない。
表と裏があるコインのように、百八十度変わるのだ。
淡々として、ともすれば冷たい声と表情から、甘くて、ゾクゾクするほどセクシーなものへと。
そんなギャップに私の心は簡単に乱された。
祐希に導かれるまま近くのベッドに横になり、祐希を見つめる。
たぶん今夜は、私たちの間に誰も入り込めない。
この前のように、雪さんが部屋に来ることはないのだ。