プライベートレッスン 〜 同居人の甘い素顔
こんなにも満ち足りた気持ちを知らずにいたら、私は永遠に不幸になるところだった。
「祐希と一緒にいられるなら、どうなってもかまわない。祐希も言ったでしょ? “どうなっても知りませんよ”って。それに頷いたのは私だから」
大切な縁談をぶち壊したのだ。
牧瀬家から永久に逃れなくてはならないとしても、それでいい。
「祐希のそばにいたい。離れたくない……」
再び落ちてきた祐希の唇。
こうしている間は、不安なことを考えずに済む。
祐希だけを感じていられる。
だからもっと……。
キスが深くなっていったときだった。
部屋のチャイムが私たちを夢の世界から現実へと連れ戻す。
「……誰?」
唇を離して尋ねる私に、祐希は険しい顔で首を傾げた。
ルームサービスは頼んでいない。
ホテルのスタッフが訪れる要素は心当たりがないのだ。
つまり、なにかしらの追手が扉の外にいる可能性がある。
ただ、どうやってここを突き止めたのか、疑問は残った。
もう一度チャイムが鳴る。