プライベートレッスン 〜 同居人の甘い素顔
雪さんは“すべてわかっていますよ”と言いたげな表情で私にゆっくり頷いた。
顔から火の手が上がるほど恥ずかしい。
情事直後の現場を押さえられて、平常心でいられるわけがない。
それは祐希も同じだ。
どうしたらいいのか呆然と立ち尽くしている。
「私がここへ来てよかったです。日菜子様にもう一度着付けができますから」
雪さんが鷹揚に微笑む。
「……あの、雪さん……」
「はい、なんでございましょうか」
「今、家のほうはどうなってるの?」
おそるおそる尋ねた。
私たちが心配するようなことにはなっていないと雪さんは言っていたが、それがどういうことなのか全然想像がつかない。
「旦那様も清美様も、お待ちになっております」
それは、逃亡したことに対する罪状を読み上げるためか。
私たちは顔を強張らせた。
「ですから、ご心配はいらないとさっきも申し上げましたように、祐希様と日菜子様が思っているような事態にはなっておりません」