プライベートレッスン 〜 同居人の甘い素顔

「旦那様からご連絡をいただいて、すぐに動いてもらったのです。おふたりが行く可能性のある道路すべてに面した防犯カメラを解析いたしました」


祐希も私も、なにも言えなかった。
あまりにも華麗な追跡劇だったからだ。
この短時間のうちに防犯カメラを調べて、あのホテルに私たちがいることを掴んだ。


「あのホテルにいるとわかれば、あとは簡単でございます。警視庁の知り合いにフロントまでご足労願い、おふたりのお写真を見せて部屋を割り出したのです」


呆気に取られるとはこのことだ。
祐希は私の隣で小刻みに首を横に振っていた。

気持ちはよくわかる。
私は、何度こういう場面に出くわしただろうか。
雪さんには、いったいいくつの顔があるんだろう。


「家政婦にしておくのがもったいない」


思わずそう言うと、「お誉めのお言葉、ありがとうございます」と丁寧に頭を下げた。

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