プライベートレッスン 〜 同居人の甘い素顔
◇◇◇
雪さんに太鼓判を押されたものの、実際に自宅へ帰ってくると緊張感に否応なく包まれる。
落ち着かせようと私の手を握ってくれた祐希もまた、心なしか震えているようだった。
「さぁ、どうぞお入りくださいませ」
お父さんと清美おばさんが待つリビングの扉が開かれる。
俯きながら中に入り、ゆっくり顔を上げると、ふたりはこちらに顔を向けて座っていた。
「大変申し訳ございませんでした」
祐希が潔く謝る。
腰は直角に曲げられた。
私も倣って頭を下げる。
いつまでもそのままでいると、「ふたりとも顔を上げなさい」とお父さんの声がかけられた。
ゆっくりと顔を上げてお父さんを見ると、雪さんの言っていたとおり決して怒っている顔ではなかった。
隣にいる清美おばさんもまた同様に。
「雪さんからおおよそのことは聞いたと思うが、祐希くん、そういうわけなんだ。日菜子をぜひともキミにもらってもらいたい。ようやくこの日が訪れたよ」
なんだろう。
今日はお父さんがやけに大きく見える。