プライベートレッスン 〜 同居人の甘い素顔

「牧瀬の家じゃ、雪さんの目がどこにいても光っていますからね」

「……どういう意味?」

「おちおち日菜子さんを抱くこともできません」

「なっ……」


祐希の言葉が私の顔から火を噴かせる。
直接的な単語を聞いて、心臓まで飛び上がった。
彼が伸ばしてきた手を取ると、強く引かれて一気に立たされる。


「さ、休憩はおしまいです。行きますよ」


私にしてみたら爆弾発言とも思えることを言ったのに、なんてあっさりしてるんだろう。
こっちは胸がドキドキだ。


「……もうひとつ聞いてもいい?」


走り出そうとした祐希の袖口を掴む。


「どうして“さん”付けに敬語のままなの?」


私に一線を引く必要は、もうないというのに。
結婚が決まったふたりなのに、他人行儀でちょっと寂しい。

< 259 / 260 >

この作品をシェア

pagetop