SaltyTriangle*
ふと、再び隣の楓に視線を戻すと、肩を揺らして笑いをこらえていた。
「おいコラ、てめぇ何笑ってんだよ。」
「いや、うん………あの…なんつーか、お気の毒……だなーって。」
言ってる口元は完全にニヤけているし、目も完全にバカにしている。
くそぅ……揃いも揃ってバカにしやがって……。
ただ、事実だから許す。
お皿に盛られた料理は、ほぼほぼ跡形もなく消えていた。
今日は、学校ではずっと転入生のことを気にしていた。
雨が降って全て吹っ飛んだわけだけど。
楓にこの話題を振って、少し後悔した。
会う前から興味持たせてどーすんだっていうね。
それがあくまで、頭脳的な事への興味であって、容姿的な事への興味じゃないことは承知している。
だけどどちらかといえば、その方がヤバイのだ。
お互いをもし、ライバル認定したら。
まだ顔も知らないその子は、確実に楓と近い存在になるのだから。
今の私にできることって、なんだろう。
幼馴染っていう、こんなに近い距離にいるのに。
恋愛が絡むと、遠い。
他の子達との差なんか、ゼロと言っていいほど。
これまで、ずっとこの距離を保ってきた。
誰よりも近く、遠い距離。
だけどきっと、いつかは否が応でも動き出す。
その“いつか”が、今かもしれない。
そのきっかけが、名前すらわからない彼女かもしれない。

