#恋·恋
『失礼いたします』
トスッ
若干両方との距離をあけて腰掛けると、満島さんは一礼し部屋から出ていってしまった
座ってすぐ待機の時に椿さんに教えて貰った作法をしていく。
まず、席に着いたら名刺を渡す。
ポーチから名刺を2枚取り出し、まずオーナーにと渡そうとした。
「あ、俺らに名刺は必要ないよ」
茶髪が止めてきた。
なんだ、要らないのね。
『わかりました』
とポーチに名刺を戻した。
「……ひとみちゃん、だよね?初めまして。俺は相川 魁斗。反対に座っているのは西嶋 蓮。よろしくね」
何を飲んでるかグラスを見ていると、魁斗さんが優しい声で話しかけてくれた。
『よろしくお願いします。源氏名は深月 夕です』
「あ、夕ちゃんか…いい名前だね。自分で考えたの?」
『椿さんが考えてくれました』
「椿……ああ、あの子ね」
そっかそっかと独り言をつぶやいて、また話しかけてきた。
「ここでは本名でいいよ。一応俺らここの経営者だから」
『…わかりました』