【完】ふたりは幼なじみ。〜クールな執事の甘い溺愛〜
「うわーっ、見てみて、大人気!神楽くんってやっぱモテてんだね〜。
ここ、特等席だわ。私も見学しよっかな〜」
「えぇっ!ここで絵描くの?」
「いいじゃん。グラウンドの風景もありでしょ。
汗も滴るいい男、プラス背景ってどう?」
「…なんか違う気がするよ〜、それ」
「えー、いいじゃん。なんでも」
するとかーくん大好きなレミは、さっそくそこの階段に腰掛けてスケッチをはじめて。
私はしぶしぶ自分もそこに腰を下ろした。
「とりあえず、ゴールから書こっ」
はりきってるレミの横で、ぼんやりとグラウンドを眺める。
執事科って、かーくんのクラスって、いつもああいう感じなんだ…。
あんまりちゃんと見たことなかったな。
なんだか急に、少し、かーくんが遠く感じる。
自分はかーくんのことをなんでも知ってるようで知らなかったんだって、あらためて思って、ちょっと寂しくなった。