嘘つき天使へ、愛をこめて




そのままベットへと運ばれたあたしは、薬を飲むための水を取りに戻った大翔に、未だ困惑しかなかった。


けれど、身体が動かない。

頭が痛い。ズキズキと、痛い。


戻ってきた大翔に流し込まれるように薬を飲まされ、あたしは気力を振り絞ってその服を掴む。


「……なんで……どうして」

「悪いな、驚かせて。まさかサリがここに住んでるとは思わなかったから、アパートに行く前に寄っちまったんだよ」

「そうじゃ、ない。初代総長って、何。どういうことなの。なんで、ここにいるの」

「ああ、もういい喋るな。寝てろ。ちゃんと全部説明すっから、ほら」


肩を押され、柔くベットに押し付けられる。

あたしは熱を持った息を吐いて、腕で頭を抑えた。


こんなことをしても痛みなどなくならないが、それでも気休め程度には効く。
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