嘘つき天使へ、愛をこめて
◇
そのままベットへと運ばれたあたしは、薬を飲むための水を取りに戻った大翔に、未だ困惑しかなかった。
けれど、身体が動かない。
頭が痛い。ズキズキと、痛い。
戻ってきた大翔に流し込まれるように薬を飲まされ、あたしは気力を振り絞ってその服を掴む。
「……なんで……どうして」
「悪いな、驚かせて。まさかサリがここに住んでるとは思わなかったから、アパートに行く前に寄っちまったんだよ」
「そうじゃ、ない。初代総長って、何。どういうことなの。なんで、ここにいるの」
「ああ、もういい喋るな。寝てろ。ちゃんと全部説明すっから、ほら」
肩を押され、柔くベットに押し付けられる。
あたしは熱を持った息を吐いて、腕で頭を抑えた。
こんなことをしても痛みなどなくならないが、それでも気休め程度には効く。