嘘つき天使へ、愛をこめて


「どんな結果になったとしても、俺は今自分が選んだ答えを悔やむことは永遠にない。やっとこうしてサリを抱きしめられたんだから」


雅の甘い匂いが鼻いっぱいに広がった。

安心するはずなのに、涙は止まる気配がないまま、雅の服へと染み込んでいく。


強くなりたかった。

それが、あたしの生きている意味だった。


……でも、もうあの頃のあたしには戻れそうにないな、と思わず笑ってしまう。

突然笑ったあたしに驚いたのか、雅が「サリ?」と戸惑ったように離れた。


「だめ」


あたしは離れる身体を引き寄せて、もう一度雅の胸へと顔を埋める。


「離さないで、雅」

「……サリ」

「ぎゅってしてて。あたしがもう雅から離れないように。離れていけないように」


そもそも最初から、間違っていたのかもしれない。

強くなるだなんて、ひとりぼっちのあたしに出来るはずがなかったんだ。


人は誰かのために強くなる。

大切な人の手を繋いでおくために、強くなろうと必死になる。


それが人だから。人間だから。


これから先もずっと雅と手を繋いでいたいと思うこの気持ちが、真っ直ぐに生きたいという気持ちに繋がっているのだ。
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