嘘つき天使へ、愛をこめて
「……離せるわけない。どんなにサリが嘘つきでも、どんなに運命が残酷だったとしても、俺はもう君を離さない」
「雅……」
あたしだって、離れたくないよ。
けれど手術が終わったら、あたしは君を忘れてしまっているかもしれない。
たとえ忘れていなくても、色々なリスクを背負ったまま生きていかなければならないあたしに、君は愛想を尽かしてしまうかもしれない。
あたしはそれが怖い。
なによりもいちばん、それが怖いんだよ。
「サリ」
「…………」
雅の服にぎゅっと顔を埋めて、声を押し殺して泣く。
「大丈夫だよ、サリ」
「そんなの……っ」
「絶対に大丈夫。だってサリは俺なんかよりもずっとずっと強いじゃん。たとえ全てを忘れても、サリはサリだよ」
―――ずっと、強くなりたかった。
ひとりで生きていけるように。
あたしがあたしを守れるように。