嘘つき天使へ、愛をこめて
あくまで、期間限定の女子高生。
これから何があったとしても、最後には終わる。
大翔があたしに何を見せたかったのかだけでもわかれば、もうそれでミッションコンプリート。
そこまで戦えるような、体力も気力もないしね。
「……ここがおまえの教室だ」
どうも先生は、完全にあたしのことを敵と見なしたらしい。
声にトゲがあるどころか、目を離すまいとこちらを鋭く睨みつけてくる。
……もう、ほんとガラが悪いな。
そんな睨まれてたら落ち着かないじゃない。
心の中で深い溜息をつきつつ、先生の頭の上へ視線をあげれば2年A組の文字が見えた。
ここがあたしの教室ってことだよね。
「ここってクラスどれくらいあるんですか?」
「1年、2年が3クラス、3年が2クラス。全校生徒250人弱。今現在でその全員が胡蝶蘭のメンバーだ。
……下手なことはしない方が懸命だぞ」
「だからあたし、別に胡蝶蘭に喧嘩売りに来たわけじゃないってば。さすがにそんな人数を相手する体力ないよ」
一々突っかかって来られても困る。