嘘つき天使へ、愛をこめて


やっぱりこの先生はそれなりの立場の人らしい。


そうじゃなきゃ、こんな不良のバカ騒ぎは止まりはしない。


「おいおまえら、転校生だ」


再び自分に注がれる視線にデジャブを覚えた。


教室内の生徒人数はざっと30人弱、といったところ。


教団の横に立って、ポカンと口をあけているクラスメイト達を見回す。


一番最初に受けた印象は、髪色がなんともカラフルだということ。


まるでパレットでも見ているようだ。


……なんか、ハデ。

でもあの薄紫の髪とかは綺麗かも。


あのどぎついショッキングピンクはどうかと思うけど。


髪色だけでなく、制服の気崩しも大胆で、そもそも制服自体着ていないパーカー民が約半数。


耳には必ずというほどピアスがいくつもついているし、見た目だけで不良と分かるようなヤツらばかりだけど――そう、恐らく。
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