別れたいのに愛おしい~冷徹御曹司の揺るぎない独占愛~
「理沙は何か予定有るのか?」

食事を終えた奏人が、コーヒーを口にしながら言う。

「本を返しに図書館に行こうと思ってたけど、誰かと会う約束とかはないよ」

「じゃあ、車で出かけないか? 昨日のドライブのやり直し。図書館に行ってそのあと少し遠出しようか?」

「行きたい!」

私は奏人の提案に張り切って答える。

でも、直後昨夜のことを思い出してしまった。

「……昨日、朝美さんのことを乗せたんだよね?」

ふたりで一緒に移動したんだから当然載せているのだろうけど、私が一番初めに乗りたかったな。


「乗せてない。朝美の部屋には徒歩で行ったから。車は昨日のままコインパーキングに停めてあるよ」

「本当?」

予想外の事実に嬉しくなる。
だけど朝美さんの部屋に行ったのはやっぱり気になる。

< 135 / 208 >

この作品をシェア

pagetop