別れたいのに愛おしい~冷徹御曹司の揺るぎない独占愛~
「君が言ってるのは……北条奏人のことか?」

瀧島課長は、朝美さんの台詞を聞き逃さずに確認する。

「そうよ。私は奏人の恋人」

「えっ?」

朝美さんの言葉に、私は目を見開く。

この人、何を言ってるの? 

奏人ははっきり関わるなって言ったのに……通じていないの?

だけど朝美さんから見ると、私こそが奏人に付き纏う害ある女のようで、軽蔑の目で睨んでくる。

更に滝島課長が追い打ちをかけて来る。

「中瀬さんは私生活に問題有りだな。さくら堂の品位を落とす行動をとる社員だ」

「そ、そんな……」

この状況の責任が私にあるって言うの?


「課長、待ってください。私は何も……」

「北条君も問題有りだな。だから私は彼の入社を反対したんだ」

滝島課長は、聞く耳を持たない。

課長の声も大きいから、いつの間にか周りに人が集まって来ている。

どうしよう……。


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