ポイントカードはお持ちですか?


「ちょーーーーと咲里亜ちゃん!」

さっきの自動販売機前で奈美さんに捕まった。

満面の笑みは何か不穏なものを感じる。

「今倉庫に行こうとしたら偶然見て聞いちゃったんだけど、風見さんと伊月君、今週末デートするらしいよ!」

ほらー、だから不穏だって思ったのに。

「ふ、ふーん。そうですかー。お似合いですもんねー」

「風見さんの方から『週末お食事に』って誘って、伊月君が『わかりました』って答えてたの。週末ってやっぱり金曜日かな?」

「さあ。土日かもしれませんね」

「風見さんは今年度で退職だし、伊月君も異動でしょ?そのまま結婚ってなるかもしれないわね」

「・・・ですねー」

ああ、本当にタイミングってあるからな。

真面目な伊月君と真面目な風見さんなら、タイミングさえ合えばそうなっても不思議はない。
多少スピードが早いかもしれないけど、それこそズルズル付き合うタイプでもないだろう。

先を見据えることなくダラダラした恋愛しかしてこなかったから、私は今こうしているんだろう。

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