ポイントカードはお持ちですか?

「・・・言ってることが、わからない」

「咲里亜さんは誰かと会う約束をしていますよね?田山課長の紹介でしたっけ?だけどイブの約束を反故にして別の男と一晩過ごせば、さすがに話は流れますよね?」

訂正したい箇所はたくさんあるが、事実よりも伊月君の意図の方が気になる。

「まさか、仕組んだの?」

「土砂崩れとガス欠を?そんな魔法が使えるなら、もっと有効な使い方をしますよ」

「それはそうだよね」

「まあ、明日でもいいと言われた用地交渉を強行しましたし、ガス欠も期待して黙っていました。こんなにうまく行くとは思っていませんでしたけど、どうやら俺のポイントは貯まっていたみたいですね。募金頑張ってよかったです」

ポイント?募金?
つまるところはそれなの?

突っ込んで聞きたいところを、話がどんどん逸れてしまうので我慢した。

「募金とポイントのことは置いておくとして、私を足止めしてどうするつもり?」

「そこまで深く考えていませんでした。・・・けど」

ぐいっと腕が強く引かれた。

それはまったく甘さのないキスで、むしろ抗議のような怒りのような、彼が抱える鬱憤を吐き出されている行為だった。
まさにあのキスマークをつけた人と同一人物。

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