ポイントカードはお持ちですか?


好きな人にキスをされていて不思議なのだけど、私の中でもふつふつと怒りがこみ上げてきた。

いつもいつも、この人の考えることも行動も、わけがわからないことばっかり!
いい加減にしろ!

伊月君の作業着の襟首を掴んで引き離し、そのまま締め上げる。

「言いそびれてたけど、この前のことといいどういうつもり?ずいぶん好き勝手してくれるじゃないのよ!隠すの、どれだけ大変だったと思ってるの?」

「だってムカついたから!俺のなのに、他の男に取られるなんて!」

「『俺の』って何よ!一回したくらいで彼氏ヅラしないでくれる?」

「じゃあ何回すれば彼氏ヅラしていいんですか?言ってください。その10倍でも100倍でもしますから」

「何言ってんの?バカじゃない!?」

伊月君を締め上げていた手を剥がされて、逆に拘束される。
ちょうど押し相撲をするような体勢で見合う。

「俺に責任取らせてくれないなら、咲里亜さんが責任取ってよ」

「だから何よ〈責任〉って!そんなお情けで付き合ってもらっても嬉しくないの。私はちゃんと愛し愛されて付き合いたいし結婚したいのよ!」

「そんなの大前提でしょう。酔っていたからって、俺は好きじゃない人とあんなことしない」

「私だってそうだよ!」

「だから知ってるって!それなのに逃げるから!」

・・・・・・・・あれ?
なんでだろう?

今お互いの気持ちを確認した気がするんだけど、腕を取り合っているこの体勢といい、雰囲気といい、まったくそんな甘さがない。

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