縁側で恋を始めましょう


「帰りがけに、空が明るくなり始めたんだ。その時に、紗希が言ったんだよ。暁の名前は、アカツキって読める、この夜明けの空のことを言うんだよ、暁の名前は空の名前なんだよって」

……言ったっけ?
覚えていない。
首を傾げると「だと思った」と言われた。

「俺はその時のことがやたら鮮明に覚えていてさ。ペンネームを考えた時も、すぐにあの時のことを思い出して、それにしようって決めたんだ。あの時の空がとても綺麗だったし、得意げに話していた紗希も可愛かったし、何より紗希も覚えてくれていると思ったから」

可愛いと言われて赤面したが、最後のやや嫌味っぽい言い方には目を逸らした。
話を聞いても思い出せない。


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