縁側で恋を始めましょう
「じゃぁ折半で」
折半でという割には、抜いた金額が少なかった。
「暁はそれで大丈夫なの? お金あるの?」
「なにそれ」
「だって、一緒に生活しているのに暁にお金の負担させるわけにはいかないでしょう。私は働いているんだし。笹本に言われるまで気が付かなかった私も私だけど……。ごめんね」
そう謝ると、暁は低い声で言った。
「……つーか、笹本って誰?」
「え? 同期だけど」
あれ? なんか怒っている?
面白くなさそうに手元のお金を見つめる暁。
「女? 男?」
「男。女の私よりよく気が付くのよね」
苦笑して机に手をつきカックリと肩を落としてみせるが反応はない。
あれ? と顔を上げると暁は不機嫌そうに私を睨んだ。