縁側で恋を始めましょう

思い出すと顔が熱くなり、うわぁぁぁと頭を抱える。
考えないようにすればするほど意識してしまうから大変だ。
ああ、どうしたらいいんだ。
すると、後ろから肩を軽くポンッと叩かれた。
振り返ると課長が呆れたような顔で立っている。
あ、そうだった。ここ、会社だった。

「何を百面相しているんだか知らないが、始業時間は過ぎているんだぞ。頭抱えるなら新しい企画書出してからにしろ」

そう言われ、小さな声で「すみません」と謝った。
けれどこの日一日、新しい企画書どころか、後輩にまでミスを指摘されるほど散々だった。









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