雪の日に祝福を…。
◆2◆ 突然の婚約破棄
  


 3年付き合った。会社恒例のクリスマスイブに行うクリスマス会と称した飲み会。
 私は、お酒が強くなかったが昇進を目指していたから上司の誘いを断らないようにしていて毎年参加していた。
 その年は、海外に赴任していた社員も来ていて大いに貸し切りバーは、盛り上がった。
 上司は、奥さんの呼び出しで早々に帰ってしまった。そろそろ限界を迎えていた私には、天の助け的出来事だった。
 帰ろうとしていた私は、車道に飛び出しそうになった。


 《 《


「おっと、危ない。弱いのに飲みすぎだよ。」


「ありがとう。助かったわ。」


 振り向くと海外赴任している社員だった。


「帰るの?送って行こうか?」


「ありがとう。でも、まだ大丈夫よ。」


 街頭に掴まり答える。


「フラフラじゃん。なんでそんなに飲んだわけ?」


「上司命令。」


「女の子なんだから・・・・・・。」


 呆れたようなため息が耳を突く。


「〝女の子〟って本気で言ってるの?」


「本気だよ。」


「ふふ、ありがとう。でも、出世の為だから大丈夫よ。」


 可愛いことを言う相手に笑顔を向けた。


  
< 11 / 156 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop