雪の日に祝福を…。
  



「自分を大切にしないと。」


 真剣な眼差しを向けて言う。


「大切にしてるのよ、これでも。自分が大切だから出世したいの。」


「やり方なら色々あるだろう。」


「手っ取り早い方を選んだだけ。」


「やっぱり、送って行く。」


「ちょっと、しつこいわよ。んっ!」


 文句を返した瞬間に身体が引き寄せられて唇に〝何か〟が触れた。


「ちょっと!あなたが酔っ払ってるの?」


「ごめん。でも、ずっと寂しそうにしてたからつい・・・・・・。」


「っ!!」


 心の中を見透かされた気がした。


「送るだけよ。」


「解った。」


 なんて愚かしい会話。


 マンション委に着くとエレベーターに2人で乗った。合図なんてなかったがどちらからともなく抱き合いキスを交わす。
 そまま部屋に入り求め合った。


「なあ、付き合わない?」


 シてから言うなんて馬鹿な話しだが二つ返事でOKした。


 《 《


 こうして私たちは、付き合うことになった。最初の半年は、遠距離。翌年に海外赴任任期が終わり帰って来てからは、こっそりと社内恋愛。


  
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