雪の日に祝福を…。
  


「ああ、解った。」


「じゃあ、明日10時にしたのラウンジで。」


 急いでいたのか青年は、用件を述べると電話を一方的に切ってしまった。


 》 》


 神様・・・私の世界を回している神様。

 何度同じ所を回りましたか? 何度同じような仕打ちを与えましたか?
 あと何回、回れば解放されますか?

 見つけようと思えば簡単に見つかる距離をウロついていたのに。

 神様・・・瑠々の世界を回している神様。
 その子がそんなに好きですか? その子がそんなに心配ですか?

 小さくて見えないのですか?

 幼い頃そう何度も居ない〝神様〟に語りかけた。
 近所のおばさんや妹の主治医から自分が置いてきぼりで〝寂しい〟んだと、〝可哀想〟なんだと言われるまで当たり前だった日常が色褪<ア>せていったのは・・・。


 その報われなかった日々がようやく終わりを告げようとしている。

 願わくは、彼が自分の思う道で生きてゆけますように。


 《 《


「そうですか・・・明日。」


「ええ。一時は、どうなるかと心配だったんですけど体重も日に日に増えて来て・・・。」


  
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