雪の日に祝福を…。
◇15◇ 雪が見ていた日々
  


 私の世界は・・・
 〝不公平〟と〝不平等〟で回ってる。

 その輪の中から出たくて逃げ出したくてもがいてもがいて・・・〝愛すること〟を憶<オボ>えて。
 その〝愛〟に裏切られて・・・また、〝愛〟を見つけた。

 私の世界には、意地悪な神様しか居ないの。
 でも、この胸に最期に想う人が居ることは・・・〝倖せ〟だって理解している。


 》 》


「おはよう。」


「おはようございます。改めまして、千明 燵夜と言います。」


「はい。ご丁寧に。で、電話で出来ない話って言うのは?」


「実は、月依さんとはだいぶ前に別れています。」


 青年の一言は、急転直下だった。


「すみません。あの時見栄を張らずに言えば良かったんですけど・・・」


「まぁ、気持ちは解るよ。で、何かお願いかな?」


「はい。」


 青年の願いなど想像が付いた。


「俺に出来ることなら協力するよ。」


「ありがとうございます。出来れば、月依さんの居場所を訊かせて頂けませんか?」


「(やっぱり・・・。)」


 案の定の答えが返って来た。


「逢ってどうする?所詮社長に何か言われて別れたんだろう?」


  
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