雪の日に祝福を…。
  


「傷付いちゃった・・・の?」


「月依・・・・・・」


「そうよ。傷付きなさい・・・あなたの所為なんだから。」


 涙を瞳溜めている男に言う。


「・・・好きよ。」


「月依、さんできた?」


 急に視線を送られ告白を受けて身体が固まる。


「ごめんね。最期くらいは・・・・・・好きにさせてもらうから。」


「月依さん、逝かないで・・・・・・」


 ようやく口に出来たのはお決まりの台詞。


「ごめん、ね・・・。」


「月依・・・逝くな。俺に償いの時間は、くれないのか。」


「一生、私を・・・忘れられないでしょう・・・・・・。それが、あなたの、償い・・・・・・。さぁ、静かにして・・・・・・」


 深い呼吸を一つして空を仰ぎ見る。どこまでも広がる青い空に放した白の紙吹雪が雪のように自分に降って来る。


「月依・・・・・・」


「月依さん、好きだよ。俺、若狭 月依が世界で1番好きだ。」


 呪縛から解き放たれたように叫ぶと彼女の元に駆け寄って手を握る。


「・・・さようなら。
(私の愛・・・・・・。)」


 意識を集中して彼を見つめる。



 》 》


 私の世界は、〝不公平〟と〝不平等〟で回っている。
 縋ることも許されない・・・世界。


  
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