雪の日に祝福を…。
◆16◆ 雪の日に祝福を・・・。
  


 こんな〝愛〟に見守れながらなら・・・私の人生も悪くないかもしれない。
 あなたを見付けたとき、あなたに溺れるなんて思わなかった。
 あなたと離れると〝独りが寒いんだって〟気が付かなかったかもしれない。

 私の世界であなたは、唯一〝平等〟を与えてくれた人だった。
 愛しています、心から。

 明日、この世界に居れないことが・・・悔しいって思えるのもあなたのおかげです。
 だってこの〝不公平〟で〝不平等〟の世界に居なくなってしまったら・・・あなたの世界にも触れることが出来ないのだから・・・・・・。

 残酷だけど、一生で1度の我が儘を言うのなら・・・

 どうか、【 私を忘れないで 】・・・・・・。

 愛しいあなた。
 大好きな、あなた・・・・・・
 私を月<ワタシ>依として、求めてくれたあなた・・・・・・

 私の世界は・・・・・・


 》 》


「月依さん・・・傍に、傍に居るから。」


 手を力一杯に握り締めて薄れゆく意識の彼女に伝える。


「ええ、傍に居て・・・・・・」


 青年の温もりを感じながら呼吸が浅くなっていく。
 彼以外が灰色に染まっていく。


「月依っ!!」


 力強く呼ばれてシルエットだけになってしまう彼を見つめる。


  
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