雪の日に祝福を…。
「マスターの大切な人?」
「ああ、手を握っていないって思っていたのは・・・俺だけだった。燵夜。」
「はい。」
「この想いは、枯れない。フとしたときに水が与えられて花が咲くんだ・・・・・・綺麗で残酷な花が。」
「今も、咲きますか?」
「ああ。もう一生咲き誇るだろう・・・俺が朽ちるその日まで。だから、付き合い方を覚えろ。咲いても引きずられずに愛<メ>でれるように。」
「はい・・・。」
「納骨は、どうするんだ?実家には、頼めんだろう。」
「どこか、静かに眠れる共同の墓地を探そうかと思います。」
「そうか。それならいい所を知っている。」
「燵夜くん。あ、マスター・・・・・・」
やって来た男に笑顔を向ける。
「墓地の件で話しがあるみたいだ。」
「悠葵さん、そのことなんですけど・・・」
2人は、今までの話しをした。
》 》
どこまで引き返したなら間違わなかったのだろうか。
なぜ、彼女の言葉を疑わなかったのだろうか。
〝棄ててくれ〟と頼んだあの日がフラッシュバックする。
彼女の大嫌いな雪が名残惜しそうに降っていた。