雪の日に祝福を…。
私は、鬼になった。
《 《
担当のウエディングプランナ-が言葉を失う展開。
「あの、訊いてました?」
「はい。でも・・・あと1週間をきっていますし。」
「だからキャンセルするよりも効率がいいんじゃないですか。子どもも生まれるのに結婚式を挙げないなんて。このプランのままでお願いします。」
翌日、2人を式場に呼び出し自分たちの式をそのまま使って結婚式を挙げろと言う指令を言い渡したのだ。
今更キャンセルしてもキャンセル料も発生しないし勿体ないからだ。
「ちゃんと授かり婚でも結婚式をしてみんなに祝福されたんだって赤ちゃんに思ってもらいたいし。」
「それは、ちょっと・・・。」
流石に元婚約者の結婚式をそのまま使うのには抵抗があり拒否しようとしたが・・・。
「拒否権なんて無いわよ。私の不幸を踏み台にするならあなたちが不幸なのは、間違ってる。みんなに祝福されて夫婦になりなさい。」
ニッコリと穏やかな笑顔を向けられ2人は、まるで“蛇に睨まれた蛙”状態になっていた。
「お姉ちゃん。結婚式は、いいの。」
拒否する妹の肩が支えるように抱かれる。