雪の日に祝福を…。
   


「大丈夫?」


 優しく声を掛けられて頭を振った。


「どうしたの?帰ってからおかしいよ。」


「大丈夫。」


 答えて無意識に彼から離れようと立ち上がった。


「月依さん!!」


 ふらついた身体を抱き留める。


「月依さん。」


「大丈夫、ごめんね。」


「月依さん・・・。顔色も悪いし具合が悪いの?」


 抱きかかえ本当に心配してくれているのが解る。


「少し・・・横になっていい?」


「いいよ。ベッドに行こうか。」


 頷くとゆっくり抱き上げてバッドルームに入る。


「少し眠ったら楽になるから。」


「解ったけど、彼と何かあった?」


「まさか、何もない。彼とはもう、同僚よ。」


 深い息を吐いて答えた。


「じゃあ、どうしたの?最近調子が良かったのに。」


 グッタリする恋人に問い掛ける。


「ごめんね。」


「何が?」


「ごめんね。
(私、あの人にあなたを渡してしまうかも…。)」


「月依さん?」


 要領を得ない話ししかしない彼女に首を傾げる。


「あなたを大切に想ってる。
(でも、逆らえない。あなたの倖せを願っているのに・・・。)」


   
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