雪の日に祝福を…。
  


 地上に向かって階段を駆ける。



「・・・ん。」


 頭痛が酷い猛烈な吐き気と視界が歪む。


「お酒は・・・ダメだった、みたいね。」



「おい、月依。」


 バーを出てすぐの所に立っているのに気が付いた。


「おーい、月依!スマホ忘れたら仕事にならんだろう。」


 声を掛けるが振り向かない。


「痛っ・・・・・・」


「月依っ!!」


 目の前で倒れた姪に駆け寄る。


「月依、どうした?」


「あ、たま・・・痛い。」


「馬鹿、だから仕事も程々にしろって言ったのに。今、救急車呼んでやる。」


「待って・・・燵夜、くんには言わないで。」


「解った。」


 すぐに救急車を要請した。


 》 》


 世界は、不平等だ。
 そう思っていた私の世界にも私を心配してくれる人たちは居る。


 《 《


 白い天井が出迎える。


「若狭さん、気が付きましたか?」


 横には、白衣の天使が居た。


「はい。どれくらい寝てました?」


「5時間ほどですよ。」


「そうですか。」


 身体のだるさはなくなっていたし頭痛もなかった。


「先生を呼んできます。」


   
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