夢の言葉と陽だまりの天使(上)【夢の言葉続編②】

それ以来、私はホノカさんの前でヴァロンの名前を決して口にしなくなった。
家庭では仕事の話は一切しない。

……そう、してきたのに。
私はまた彼女を傷付ける様な事をした。
ホノカさんの顔を見れないでいると…。


「…じゃあ。
貴方にとっても大切な人ですね。」

彼女の優しい声が、聞こえた。
ホノカさんの手が、
きつく握り締めていた私の手を包む。

暖かい、優しい温もり…。


「…力を尽くします。
貴方は早くヴァロンさんに連絡してあげて下さい。」

その言葉に顔を上げると…。
目の合った私に微笑んで、ホノカさんはアカリさんが運ばれて行った治療室へ向かって行った。

……
………。
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