夢の言葉と陽だまりの天使(上)【夢の言葉続編②】
忘れたくても忘れられない。
私はホノカさんとの大切な時間に、
ヴァロンの名前を呼んで…傷付けたのだ。
結婚して迎えた初夜、
私はホノカさんを抱く事が出来なかった。
どんなに頑張ろうとしても…出来なかった。
そんな日が続いて、いつまでも彼女に触れられない事を不審に思われない様に…私は最低な事をした。
ホノカさんを抱きながら、頭の中で想っていたのは…。
”っ…ヴァロンッ……。”…。
……愛おしい彼を思い浮かべて。
その名前を、呼んでしまった。
……。
絶対に聞こえていた筈なのに…。
ホノカさんは何も言わなかった。
”私は貴方と子供と三人で暮らせたら、
それ以上はもう何もいりません。
……あ、でも。時々…。
時々でいいから、ギュッて抱き締めて下さい!”…。
申し訳なくて、
離婚を申し出ようとした私に…
ホノカさんはそう言って、微笑ってくれた。