夢の言葉と陽だまりの天使(上)【夢の言葉続編②】
目を閉じた瞼の奥が熱くて、顔を見たら感情が全部溢れてしまいそうで…。
暫くアカリを抱き締めたまま、ゆっくり口を開いた。
「……大体、誕生日でもねぇのにプレゼントとか。……。
そんな、気ぃ使わなくて…いいんだぞ?」
声が震えそうなのを誤魔化す為に、俺は少し笑っている口調で言った。
…すると。
アカリが俺をギュッと抱き返して答える。
「……。だって、渡せないもん。
今年のヴァロンの誕生日は、渡せない…でしょ?」
「……。」
彼女の言葉が、心に響いた。
頭の中が真っ白になるのに、俺達の身体はゆっくり少し離れて…。
俺とアカリは見つめ合っていた。
俺を見上げて、彼女が微笑む。
”分かってるよ”…。
そう、言っている様な…笑顔。
……。
アカリは、気付いていた。
俺が長期任務に行くと、決めている事に…。