夢の言葉と陽だまりの天使(上)【夢の言葉続編②】
「…覚えててくれ。
何度離れても、迷っても…帰って来る。
どんなに遠回りしても…。
必ず、アカリの処に俺は戻ってくるから。」
射る様な強い眼差し。
その瞳に、もう迷いはない。
”ごめん”って謝罪の言葉じゃなく、下手に誤魔化す訳じゃなく…。
ヴァロンは応えてくれた。
私が一番欲しかった返事を、くれた。
これが、ヴァロン。
私が恋した、誰よりも愛おしい人。
「うんっ…!
…あ!でも、遠回りは嫌かな…。
……。
なるべく寄り道しないで?
近道して帰ってきてほしい…!」
笑顔で頷いた後に私がそう言うと、真剣な表情だったヴァロンが一瞬呆気に取られた様にポカンとして…。
すぐに、プッと吹き出して笑った。
「……分かった。約束する。」
ヴァロンは自分の小指と私の小指を結んで微笑む。