プルシアンブルー“俺が守る”
ギャンブル好きな櫪幇類を、偲胴企画が目敏く見付け取り込んだようだ。



「入手ルートは組対が捜査継続中です。」


「戻りましたー」



「お帰り。あら、矛桶さんは一緒じゃないの?」



矜悉胥徨、俊麗夫妻の聞き込みから帰ってきたのは栃元一人。



「科捜研です。俊麗が近隣に格安で買えると、ある宝石商を強引に紹介して買わせまくっていたんですけど。」



氏家縊頗(ウジイエ エイバ)は、訪問販売を個人で行っている宝石商だったらしいのだが。



「販売登録許可どころかその宝石、ホワイトジルコンの可能性が浮上したんですよ。」



独自ルートで仕入れているからと鑑定書も無く、ただ俊麗の言うままに購入させられていた。



「氏家縊頗は胥徨と高校の先輩後輩で、俊麗とは同級生だったんです。買わないと訪問の嵐、買ったら買ったで恩着せがましく付き纏い行為。三者の圧は物凄かったようです。」


「今その宝石商は?二課と合同か?」



「いえ、一課です。それが事故死していたんですよ。現場が貸別荘途中の山道だったんで、業者から資料を借りて鑑識で鑑定中です。」


「被疑者死亡か。詐欺が本当ならやりきれないな。」
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