プルシアンブルー“俺が守る”
「お帰りなさい、夫婦の不審死はどうでした?」


「それが最悪の何のって。」



矜悉胥徨(キョウジツ ショゴウ)と矜悉俊麗(キョウジツ シュンレイ)は近所では有名だった。


胥徨はテレビや雑誌にも特集されるほどのフリースクールの名物講師だったのだが。



「陰で生徒を馬鹿にして、成績は好みで優劣を付ける贔屓講師として生徒間では有名でした。親の方は信頼しきっていたようですけど。」



俊麗も高級住宅街のボスママとして優雅な雰囲気とは裏腹にモンスターペアレントで、先生と生徒の間では悪評だった。



「一人息子な上に俳優で。出席日数や成績でかなり揉め事を起こしていたようだな。まあその自慢の息子も死んで、矛先が警察に向いちまったようだがな。」



「死んだ?」


「颯梯ケイト(ソウハシ ケイト)って知りません?未成年のくせに酒場に出入りしていてバッシングに合った自業自得な奴を。」



本名、矜悉炯闍(キョウジツ ケイト)も両親同様不審死、それも裸で凍死という奇妙な姿で。


しかし検視や検案の結果、原因は酩酊により道路脇で眠ってしまって起こった矛盾脱衣であり、事件性は無しと警察は結論付けた。
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