プルシアンブルー“俺が守る”
「事故死に俊麗は納得しなくて抗議に来たらしくてな。話題の俳優だったしマスコミ対策で上から解剖の許可が下りたんだよ。そうしたら炯闍の体内からベゲタミンが出てきて、他殺の線が浮かんだんだが…」


「自宅を捜索したらベゲタミンの錠剤が発見されたんですよ。それも複数。常用していたのは明白で、寧ろ逮捕したいぐらいだったんです。」



「だがそれさえも俊麗は信じるどころか、息子は誰かに殺されたって騒ぎまくっていたそうだ。」



息子を非難したマスコミだのイカれたファンだの、息子の飲酒は棚に上げて。



そんな最中に夫婦揃って不審死で発見された。


これ以上騒ぎを起こされたく無くて訪ねた交番の警察官によって。



「胥徨はシアン化水素、俊麗はチオシアン酸で、死因はどちらも中毒死。」


「鑑識から殺虫剤成分って聞いて、妙に納得した自分がいたよ。」



殺されていい人間などいないし、犯人の心情を理解出来るなどと警察官にあっては言語道断なのだが。


警察官も人間であるから、思う分には目を瞑って頂きたい。



「これから詳細な聞き込みです。」


「どんな悪行が出てくるのやら。」



考えただけでも恐ろしい。
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