プルシアンブルー“俺が守る”
「爽築。」


「なんでいるのよ…」



後数十メートル、そこの角を曲がれば家という場所に喝宥はいた。



「帰り、話しようと思っていたら直帰したって聞いたから。」


「な、なんの用?」



「護衛のことだよ。やっぱり必要だろ?」


「要らないって言ったでしょ。」


「絶対要るって。俺の勘を信じろよ!」



「その勘、迷惑以外にないから。」



「危険だって言っているんだよ!それとも、何かあるのかよ?ハルはともかく、なんで同級生だって言わなかったんだよ。同期でも同僚でもなくて、付き合っていたんだろ、俺達!」



想いが通じた日、とても嬉しかった。



大事に大事に、大切に大切に、


悲しみを半分にして楽しさを二倍にして、



自らの背を盾にして何があろうと守ると決めた。



なのに、別れてしまった。


だけど、想いは変わらない。



だから、今も守りたい。



「なんで別れたんだよ俺達…理由…分からねぇんだよ……教えてくれよ、悪いところがあるなら直すから、俺の一体何が……」



克治達に言われたのが相当堪えたらしい。


すがりつくように肩に置かれた手は、いつになく弱々しい。
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