プルシアンブルー“俺が守る”
「係長は組対です。ヒロは知りません。あいつ、あれから係長にべったり張り付いていたから一緒じゃないですかね。俺からの電話に出られないくらい忙しいみたいなんで。」


「分かった。桧亨には俺から連絡を入れておく。」



電話に出ないことにイラついているのか若干語尾が強めになるが、超坊は巻き込まれるのは御免だと気付かないふりをした。



「左隈と岐微浜は店員に確認、矛桶と栃元は桧亨譲琉を任同。その後、毯出は桧亨譲琉宅のガサだ。桧亨と鳴鎧を合流させる。」



譲琉の家は爽築の家からそう離れていない八戸ほどの小さいアパートだった。



「ずいぶん質素ですね。殺害には金の掛かる方法とっているくせに。」


「さあな。考えは分からん。とりあえず行くか?」



「そうですね。」



捜索差押え許可状を携えインターホンを押したのだが。



「反応が無いな。」



「栃元、そっちは?」


「動きはありませんね。」



逃走も考慮しベランダ側へいた栃元に確認したが、いないようだ。



「仕方がない、ガサを先にするか。殺害に使った毒薬なんかが出てきたら一番いいんだがな。」



似顔絵以外の物的証拠を期待する。
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