ありふれた日常の特別なソレ
「ていうか、お前またユキと離れたんだよな。こりゃ一種の呪いだな。」
「本当だ。ふみちゃんと蛯原君中学から一度も同じクラスになってないよね。」
「もうそれに関しては諦めてます。」
なっちゃんと信ちゃんとは一緒のクラスになったことはあるのに対し、もう一人の幼なじみの蛯原雪哉(あだ名はユキちゃん)とは小学校以来一緒のクラスになったことがない。
その代わり小学校の六年間は全部ユキちゃんと一緒のクラスだった。
クラス替えに関して何もかも偏りすぎだよ神様!
「諦めてるとか言ってやんなよ。ユキの奴今年こそふみと同じクラスになるって意気込んでたんだぜ?」
「ユキちゃんが?」
なっちゃんがにやにやしながら私に言う。
「いつも俺と浜津ちゃんばっかずるいーってお前のいない所で駄々こねてんだぜ?」
「うっそだー!」
入試一位通過で今から新入生代表挨拶も任されてる完璧超人のあのユキちゃんが駄々なんて…。
今まで見たことないし。
「あいつお前の前ではかっこよくしてたいだろうし、見たことなくて当たり前。」
「恵比寿くん後で蛯原くんに怒られちゃうよ?」
信ちゃんに窘められても、なっちゃんはユキちゃんが怖くないらしい。
俺知らねーとまるで他人事のように口笛を吹いている。
「……ユキちゃん、早くリハーサル終わらないかなぁ。」
ユキちゃんは朝早くから入学式のリハーサルに出ている。
朝早いから一緒に登校できなかったし、もしかしたら式が終わるまで会えないかも。
『僕はリハーサルで朝早いから、明日は別々で行こう。遅刻しないでね。』
『なっちゃんじゃないんだから遅刻なんてしませーん。』
こんなことなら私も早く起きて一緒に登校したら良かった。