ふたりで
「昨日会ったのは、瀬川奈津美と言って、高校の友達。昨日も言ったけど、俺に好意を持っていて、津山が勝手にいろいろ言ってきてたんだ。本当に、一度、断っているんだ。 ただ、どうしてか彼女達は、断られたことを納得してなくて、啓太もずっと一緒に説得してくれた。
やっと、わかったみたいで、話し合いが終わったのが、ほら、真愛にメールしただろ、1時だった。」
「そうか、わかった。じゃあ、元カノとかじゃないんだね。」
こーちゃんの話にホッとしながも、元カノかどうかも、確かめたかった。
「当たり前、元カノだったら、会ったりしないよ。それと、俺は真愛ひとすじだから、心配しないで。真愛だけしか、いらない。俺の気持ち、わかってくれた?」
『好き』と言う言葉よりも心が、震えた。温かい物が、込み上げてくる。
「こーちゃん、ありがとう。私も同じだよ。いつのまにか、私にとって、こーちゃんが大切な人になっていたみたい。」
少し涙声になりながら、答えた。
「俺も、うれしいよ。やっと気持ちが通じ合った。」
「あっ、そうだ。お母さんが今夜こーちゃんに、また、新しいレシピを教えたいと、言っていたよ。」
「じゃあ、急いでかえろう。」