ふたりで

「どうなんだろうな。気持ちがあって抱いたのと、気持ちがなくて抱いたのと、真愛ちゃんは、どっちが気持ちが軽くなるんだろうな。
やりたい盛りの健康な男子の事情なんて、まるっきり理解できないだろうし、それに、真愛ちゃん、まだ男を知らないだろう。」
啓太が、触れられたくない所をついてくる。


啓太も、容赦ないなあ、と思いながら、
「いや、嘘はつきたくない。聞かれたら、正直に話すよ。それで、真愛がどう思うか、判決を真摯に受け止めるだけだ。」

「しばらく、針のむしろだな。」
と啓太が気の毒そうにいった。

「きっと鍾乳洞は、中止だな。悪いな啓太、一緒に行けなくて。」
と俺がいうと、

「仕方ないよ。この埋め合わせは、よ、し、な、に。」


「すべて解決してからな。」
啓太がいてくれて、本当によかった、と啓太に感謝した。
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