ふたりで
試験もなんとかクリアして、春休みにはいった。退院してから、2週間がたっていたが、うこーちゃんとのわだかまりを解消できずにいた私を、幸がショッピングに誘ってくれた。
そこで、こーちゃんとあの子をまたしても見かけることになる。
こーちゃんたちは、私たちに気づかない。
幸に、
「あの子、だれ?」
と聞かれても、
「知らない。私は、何も聞いてないし、こーちゃんも話してくれない。実はね、幸。事故にあった日も、こーちゃんはあの子と一緒だったの。」
「じゃあ、事故にあったのは、こーちゃんのせいなの?」
「うん。ある意味そうかもしれない。ふたりを見て、交差点で動けなくなったから、事故に。」
「行って、こーちゃんに聞こう。」
幸が、私の手をつかんで、速足でこーちゃんを追いかけたが、ふたりを見失ってしまった。
この時も、ふたりは彼氏彼女のように、腕を組んで、女の子の方は、とても楽しそうだった。
「真愛、黙ってないで、ちゃんと聞かなきゃ。こーちゃんと、ちょっとギクシャクしてたのは、こういう事だったんだ。私には言ってくれればいいのに、水くさいぞ。」
幸がちょっと怒って言ってくる。
「私さ、こーちゃんと離れたくないの。聞いてしまったら、こーちゃんと別れることになるかもと思うと、怖くて聞けないの。 」
「わかるよ、その気持ち。でも、あの様子を見ると、このままは、よくないよ。もし、こーちゃんが浮気や、二股かけてたら、許せない。」
幸は私に代わって、憤慨してくれた。